2002年 | 短刀 | 銘 | 昭次作 平成十二年八月吉日 |
刃長 26.5cm 反り なし |
形状 | 平造り、庵棟。 |
地鉄 (じがね) | 小板目肌よく詰み、わずかに流れ肌交じり、地沸厚くつき、地景よく入り、湯走りかかる。 |
焼刃 (やきば) | 小湾れに互の目交じり、沸深く、砂流し、太めの金筋よく入る。 |
帽子 (ぼうし) | 湾れ込み、小丸に返る。 |
中心 (なかご) | 棟小肉、鑢目筋違、先刃上がり栗尻、孔一。 |
前掲とほぼ同じ狙いで製作したものである。
裏の元寄りに、介在物とともに黒く地景が見え、刃縁に絡む金筋も認められる。
同じ現象を分析したところ、含有率0.1パーセントのチタンが検出された。
金属学では、砂鉄の製錬は「含まれるチタンを凝縮し、鉱滓中に分離する」という考え方が有力である。
事実はこれに反する。
作者は、チタンが古名刀再現の手がかりの一つと考えている。
天田昭次 作品集より