2004年 | 脇指 | 銘 | 昭次作 平成十六年二月日 |
刃長 38.8cm 反り 0.2cm |
形状 | 平造り、庵棟。 |
地鉄 (じがね) | 小板目肌よく詰み、わずかに流れ肌交じり、地沸厚くつき、地景よく入る。 |
焼刃 (やきば) | 湾れに互の目交じり、小沸深く、匂口冴える。 |
帽子 (ぼうし) | 乱れ込み、突き上げて、先尖りごころに返る。 |
彫刻 | 表裏に刀樋を掻き流す。 |
中心 (なかご) | 棟小肉、鑢目筋違、先栗尻、孔一。 |
この年の新作刀展覧会無鑑査出品作である。
永年にわたる地鉄の研究、殊に平成九年の重要無形文化財保持者認定以降の苦闘が、新たな境地を開きつつある。
自ら製した鋼を、そのつぶやくままに素直に鍛えて、こうなったのである。
棟寄りのチリと称する狭い部分の地肌にさえ、楽しめる見どころがある。
地刃の顕著な変化は、介在するチタンによるものであろう。
近々の大きな展開を予感させる作品である。
天田昭次 作品集より