作品 28

2004年 脇指 昭次作
平成十六年二月日
刃長 38.8cm 反り 0.2cm
形状 平造り、庵棟。
地鉄 (じがね) 小板目肌よく詰み、わずかに流れ肌交じり、地沸厚くつき、地景よく入る。
焼刃 (やきば) 湾れに互の目交じり、小沸深く、匂口冴える。
帽子 (ぼうし) 乱れ込み、突き上げて、先尖りごころに返る。
彫刻 表裏に刀樋を掻き流す。
中心 (なかご) 棟小肉、鑢目筋違、先栗尻、孔一。

この年の新作刀展覧会無鑑査出品作である。
永年にわたる地鉄の研究、殊に平成九年の重要無形文化財保持者認定以降の苦闘が、新たな境地を開きつつある。
自ら製した鋼を、そのつぶやくままに素直に鍛えて、こうなったのである。
棟寄りのチリと称する狭い部分の地肌にさえ、楽しめる見どころがある。
地刃の顕著な変化は、介在するチタンによるものであろう。
近々の大きな展開を予感させる作品である。

名称と用語集へ

作品リストに戻る

HOME

天田昭次 作品集より