1978年 | 太刀 | 銘 | 天田昭次作之 昭和五十三年弥生吉日 |
刃長 70.9cm 反り 2.0cm |
形状 | 鎬造り、庵棟、中切先詰まり猪首風となる。 |
地鉄 (じがね) | 小板目肌詰み、わずかに流れ肌交じり、地沸つき、細かい地景入る。 |
焼刃 (やきば) | 匂がちの直刃、匂口明るく冴え、刃中小足入り、わずかに砂流しかかる。 |
帽子 (ぼうし) | 直に小丸に浅く返る。 |
彫刻 | 表裏に棒樋を掻き流す。 |
中心 (なかご) | 棟小肉、鑢目筋違、先栗尻、孔一。 |
前年の正宗賞受賞作を踏襲し、さらに精緻化した作品である。 低温製錬に用いる砂鉄は、高チタンだと品質も歩留まりも悪い。
その点、出雲の真砂は優れた砂鉄と言える。これをさらに細かく粉砕して使用した。
還元性を高めるためである。 一つの作風を確立したと見えるが、製精錬一貫の仕事は効率が低く、安定性にも欠ける。
作家としての厳しい価値観も相まって、依然、寡作にとどまっている。
その上、並行して全く別の探究も行われている。
天田昭次 作品集より