作品 10

1986年 天田昭次作
皇紀二千六百二二十六年晩秋吉祥日
刃長 22.2cm 反り なし
形状 両鎬造り。
地鉄 (じがね) 板目肌流れごころに地沸つき、地景入る。
焼刃 (やきば) 匂がちの直刃、小沸つく。
帽子 (ぼうし) 直に焼き詰める。
彫刻 表裏の鎬に細い棒樋を掻き流す。
中心 (なかご) 鑢目筋違、先尖りごころの栗尻、孔一。

あまり知られていないが、天田さんは剣の製作でも蓄積がある。 剣の技術的な見どころは、端正な形状、精緻な地鉄の鍛え、調和のとれた直刃などである。中心の仕立ても、刀とは趣を異にする。 これは銑を小形の反射炉で精錬し、その後に折り返し鍛錬を施したものである。
地鉄の色調や風合いに、その特徴が見て取れる。

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