1989年 | 刀 | 銘 | 天田昭次作之 平成元年八月吉日 |
刃長 73.8cm 反り 1.7cm |
形状 | 鎬造り、庵棟、中切先延びごころ。 |
地鉄 (じがね) | 板目肌に大肌交じり、総体に肌立ちごころ、地沸つき、太い地景入り、湯走り点々と入る。 |
焼刃 (やきば) | 沸の深い互の目乱れ、刃中砂流し、金筋よく入る。 |
帽子 (ぼうし) | 乱れ込み、先掃きかけて尖りごころに返る。地に湯走り入る。 |
彫刻 | 表裏に棒樋を掻き通す。 |
中心 (なかご) | 棟小肉、鑢目筋違、先栗尻、孔一。 |
前出の相州伝の、一つの到達点を示す出来である。
刃縁から地に向かって沸が煙り込み、また、沸がこごって湯走りとなる個所が印象的である。
左下法によって銑を処理し、これをもって相州伝を表す行き方は、このころでほぼ終止する。銑の処理法も相州伝の追究も、以後、別の領域に入っていく。
天田昭次 作品集より